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よくあるご質問

ガミースマイル

  • ガミースマイルの治療に使うボトックス注射とは、どのように効果があるものですか?

    笑った時に上の歯茎がよく見えてしまうので、これはガミースマイルというものだと思います。 ガミースマイルを治すのにボトックス注射があることを知って、これでなんとかしたいと思って友達に相談してみたのですが、「大笑いしてもそんなに口角上がってるようには見えないから、ボトックスがちゃんと効いてても、見た目はあんまり変わらないかもね」と言われて、、、確かにそうかも?と思ってしまいました。 ボトックスが効かない顔というのはあるのでしょうか? ボトックスが効いてくれる期間はどのくらいですか? ボトックス治療が効果なかった場合他にどのような方法がありますか?

医師の回答

ご質問ありがとうございます。
ガミースマイルの原因は大きく分けて3つあります。

1 骨格が原因の場合
2 歯茎や歯が原因の場合
3 筋肉や唇の形が原因の場合。

多くの場合はこれら3つの原因が合わさっていることが多いです。

ガミースマイルとは笑った時に歯茎がムキッと見えてしまう現象のことですが、上記原因の3に対する治療法がボトックス注射です。
筋肉が原因で生じるガミースマイルの原因となる筋肉は上唇挙筋と上唇鼻翼挙筋です。いずれも鼻の両サイドから口唇に向かって顔面の縦方向に走っている筋肉です。本来ならば人間は笑う時に小頬骨筋と大頬骨筋という口角(口の角)を斜め上に引き上げる筋肉の方が上唇挙筋や上唇鼻翼筋よりも強く働くので唇が上というよりは、口の角が斜め上方向に上がって綺麗な笑う口の形になります。ガミースマイルのかたは、そのバランスが崩れて、どちらかというと上唇挙筋や上唇鼻翼挙筋の方が強く働いてしまうために唇が上方向に強く引き上がって歯茎が見えてしまいます。

ボトックス注射とはA型ボツリヌス菌毒素という筋肉を麻痺させる毒素を薬として注射する方法です。ボトックス注射をすると注射した筋肉の動きが弱くなります。なので、ガミースマイルの治療の際は、上唇挙筋と上唇鼻翼挙筋に注射をすることになります。そうすることで3カ月から半年程度、これらの筋肉の力が弱くなって笑顔のバランスが整うようになります。薬の効果が切れてくると再び筋肉が動き出すようになるので、また追加をするということになります。
それでは、一生ボトックス注射をする必要があるのでしょうか。私は一生ということはないと考えています。例えば、ボトックス注射を半年ごとに4回ほど繰り返すと2年間筋肉が動かない状態を作れます。動かない筋肉は廃用性萎縮というのを起こします。廃用性萎縮というのは、動かない筋肉が痩せ細って小さくなり再び元に戻らない状態のことを言います。寝たきりでリハビリをしないと、手足がガリガリに痩せ細ってしまいますよね?それと同じです。早い方で2回から3回でかなり筋肉を弱らせることができるので、治療が終了します。

この治療法で、最も大切なポイントは、ボトックスを確実に上唇挙筋と上唇鼻翼挙筋に注射することです。通常は小鼻の横から目頭にかけてのラインに注射します。すぐ横にある、小頬骨筋に効かせてしまったり、入れる量が多すぎたりして口輪筋や大頬骨筋にまで薬が効いてしまうと表情に違和感が生じますし、口が閉じられなくなってしまうこともあります。
注射は、顔面の解剖を熟知した形成外科医に依頼することが望ましいと考えます。

上記1、2、3いずれが原因でもボトックス治療は効果が見込めますが、1、2の原因がメインの場合はボトックス注射だけでは効果が弱い場合があります。

骨格が原因の場合はボトックスの効果がはっきり分からないことがあります。例えば、歯茎の骨(歯槽骨)ごと前方に突出している出っ歯の場合です。いわゆる”口ゴボ”の場合です。このようなケースでは、上下の骨を切る手術が必要になります。当院では、ワシュムンド法やケーレ法という前歯部矢状分節骨切りという方法で治療することが多いです。患者さんによっては、上だけ切る方法で解決できる場合もあります。前から数えて4番目の歯を抜いて前歯6本を歯槽骨ごと後ろに下げるやり方で、入院が必要ない日帰り手術です。

歯が原因でガミースマイルになる場合もあります。この場合は、歯冠長延長術という治療をすることになります。歯自体の大きさは通常のサイズあるけども、歯茎に埋まっている部分が多い場合は歯茎を電気メスで切り取って埋まっている歯の部分を出すことで解決できます。

 

歯自体が小さい場合は、その操作とともにオールセラミッククラウンという被せ物をして歯を大きくするという治療をします。主に審美歯科での自費診療となりますので、その場合は提携先の歯科医院をご紹介いたします。また症例によっては、インプラント矯正などの矯正治療で改善できる場合もあり、この場合も歯科を紹介いたします。

骨を切ったり、歯を治療したりする以外では、粘膜切除という方法があります。リップリポジショニングとも言われています。この方法は、口腔前庭という部分の粘膜と場合によっては上唇挙筋や上唇鼻翼挙筋の一部を切除して縫うことで、唇が必要以上に上に移動するのを制限する方法です。当院では、後戻りを防ぐために症例に応じて筋肉切除や粘膜の処理方法に工夫をしています。この手術は局所麻酔でもできますし、もちろん日帰り手術となります。溶ける糸で縫合しますので、抜糸の必要もありません。

 

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