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人中短縮の切る場所は?傷あとは?
鼻の下が長いのが気になっています。 それを治すための、人中短縮という、鼻の下を部分的に切除して引き上げる手術があることは知っています。 具体的にはどのように切るのでしょうか? 鼻の下には、どのような傷が残りますか?
医師の回答
人は年齢とともに、口輪筋(こうりんきん)のボリュームが減って、隙間の開いたすだれのように筋肉と筋肉の間がスカスカになってきます。そうすると重力に耐えられなくなって鼻の下が長くなってしまいます。実は、人中(にんちゅう)というのは、白唇部(はくしんぶ)の中央の部分で、じつは唇の一部なのをご存知でしたでしょうか。したがって、人中短縮では唇と鼻の境目を下の図のように切ります。
図のように皮膚と口輪筋を切除して、口輪筋を縫い合わせたのちに皮膚を縫い合わせます。筋肉を縫い合わせる時に、症例によっては前鼻棘(ぜんびきょく)という部分にしっかり固定してCカールを作りやすくする場合もあります。口輪筋、真皮、表皮というふうにきちんと縫い合わせることで1週間で抜糸後はお化粧で隠せる程度の傷になり、半年くらいするとお化粧をしなくても目立たない傷跡になります。当院では、縫い合わせの傷の一部を通常鼻の中に隠すような工夫をしています。そうすると、表に出てくる傷がとびとびになるので、さらに目立ちづらくなります。内側隆起がそのまま小鼻まで繋がっている方の場合は、この処置ができないことがありますが、その場合でも層を合わせた丁寧な縫合で傷を目立ちづらく形成可能です。
Cカールというのは、下の図のように鼻から唇にかけてのカールの部分を形成するやり方です。この角度が鈍角すぎると間延びした長い感じの人中になってしまい、老けた印象になるので鋭角に形成し直すとよいです。
人中短縮の時にしっかりと皮膚皮下組織、口輪筋の一部を切除したのちに、口輪筋を鼻柱のさらに深いところにある前鼻棘に引き込むように縫い合わせるようにすると鼻から口唇にかけてのカールが綺麗に形成できます。この方法をCカール形成と言います。人によってはこの処置をするとより綺麗な人中になりますので、お勧めする場合があります。