コラーゲンには副作用がある?美容効果のある摂取方法も解説
- コラム幸地先生監修
目次
コラーゲンは美容効果の高い成分として、スキンケアや美容ドリンク、美容サプリメントなどさまざまな製品に配合されています。とくに乾燥やハリ不足に悩んでいる方にとって有用な成分ですが、一方でコラーゲンをとりすぎると副作用が出るリスクも懸念されています。
本記事では、コラーゲンを摂取する際に気を付けたい副作用を紹介します。
ほかにもコラーゲンに期待できる美容効果、正しい摂取方法、コラーゲン注射の特徴についても解説します。
コラーゲンを摂ることによる美容効果
コラーゲン摂取によって期待できる美容効果は、肌のうるおい、ハリ、弾力のアップです。人の皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっていますが、表皮を支える真皮層の大部分はコラーゲンで構成されています。
コラーゲンはもともと体内で生産される生体成分ですが、加齢にともなって生産量は徐々に減少していきます。コラーゲンが不足すると、真皮が表皮を支えにくくなってシワやたるみの原因になるほか、うるおいが失われる要因にもなります。
コラーゲンを食事やドリンク、サプリメント、あるいはコラーゲン注射などで摂取すれば、肌のうるおいやハリ、弾力アップにつながります。コラーゲンは表皮と真皮をつなぐ基底膜にも存在しているため、肌のキメを整える効果も期待できるでしょう。
なお、コラーゲンは皮膚だけでなく、骨や腱、靭帯などにも存在するため、丈夫な骨の形成や関節の動きのサポートにも役立ちます。
コラーゲンのとりすぎによる副作用
コラーゲンの1日あたりの摂取量について、明確な決まりや基準はありません。摂取するサプリやドリンクの食品に書かれている摂取目安を守りましょう。
コラーゲンはもともと体内に存在する生体成分ですので、適量を守っていれば副作用が起こるリスクはほとんどありません。しかし、コラーゲンを過剰摂取すると、以下のような副作用が現れることがあります。
太りやすくなる
コラーゲンの代謝量には限界があり、過剰に摂取すると余ったぶんはアミノ酸として分解されます。アミノ酸はブドウ糖と同じく、1gにつき約4kcalの熱量になるため、とりすぎるとカロリー過多になるおそれがあります。
また、コラーゲンは食品からも摂取できますが、コラーゲンをたくさん含んでいる食品は総じて脂質が高い傾向にあります。脂質を摂取しすぎると、中性脂肪が蓄えられて肥満の原因となるので注意が必要です。
食品以外でも、糖分入りのコラーゲンドリンクやゼリーを過剰に摂取すると、カロリー過多になる可能性があります。コラーゲンを食事やドリンク、ゼリーなどから摂取する場合は、なるべく油を使わずに蒸す、煮るなどして調理する、ノンシュガータイプのドリンク、ゼリーを選ぶなど、脂質・カロリー過多を防ぐ工夫を取り入れましょう。
ニキビ・吹き出物ができやすくなる
コラーゲンを摂取する過程で脂質も一緒にとりすぎてしまうと、毛穴から皮脂が過剰に分泌されるようになります。皮脂は皮膚にうるおいを与えたり、外的刺激から肌を守ったりする役割を担う大切な分泌物ですが、多すぎる皮脂は毛穴をつまらせる要因となります。
毛穴に詰まった皮脂は雑菌のエサとなり、ニキビや吹き出物の原因となるアクネ菌の増殖につながります。
また、脂質の分解には大量のビタミンB群を消費しますが、ビタミンBは健康な肌や髪を作るためにも必要な成分です。脂質の分解にビタミンBを消費してしまうと、健康な肌を保ちにくくなり、肌荒れを招きやすくなります。
便秘がちになる
コラーゲンに限った話ではありませんが、体内に摂取したものを消化・吸収・代謝する際は、胃腸などの内臓に負担がかかります。コラーゲンを大量に摂取すると、消化器官への負担が大きくなり、便秘や下痢を引き起こすことがあります。
とくに便秘が慢性化すると肌荒れを誘発するため、コラーゲンで美容効果を得るどころか、かえって逆効果になってしまうおそれがあります。
また、腎臓に負担がかかると、体内の余分なものをろ過・排出する働きが低下します。老廃物や余分な水分が体内に蓄積されると、むくみが起こりやすくなり、顔がぱんぱんになる、ふくらはぎが張って痛いなど、日常生活でさまざまな支障を来す原因となります。
アレルギー反応を起こす可能性がある
アレルギーというと、鶏卵や牛乳、小麦などの食材をイメージしがちですが、実はこの世にある物質のすべてがアレルゲンになる可能性があります。
コラーゲンがアレルゲンとなる体質の方が、コラーゲンを過剰に摂取すると、発疹や頭痛、めまい、下痢といったアレルギー症状が現れる可能性があります。食事から普通に摂取するだけなら、アレルギー反応が起こるリスクは低いとされていますが、コラーゲンドリンクやコラーゲンサプリメントは高濃度のコラーゲンを手軽に摂取できるため、適量を守らないとアレルギー反応を引き起こすおそれがあります。
コラーゲンを摂取した後に気になる症状が現れた場合は、かかりつけの病院を受診し、診察や検査を受けるようにしましょう。
コラーゲンの正しい摂取方法
コラーゲンの副作用を予防するためには、コラーゲンを正しく摂取する方法を知っておく必要があります。適切な摂取方法を守ると、副作用のリスクを低減するだけでなく、コラーゲンの摂取効率を上げる効果も期待できるので一石二鳥です。
ここではコラーゲンを正しく摂取するポイントを4つご紹介します。
1. 適量を守る
前述のとおり、コラーゲンをドリンクやサプリメントで摂取する際は、必ずパッケージなどに記載されている用量を守りましょう。規定量以上のコラーゲンを摂取しても、代謝できなかったコラーゲンはアミノ酸に分解されてしまいますので、一度に大量に摂ったからといって美肌効果がアップしたり、即効性が高まったりすることはありません。
むしろ、副作用のリスクが高まったり、コストがかさんだりする原因になりますので、適量を遵守することが大切です。
なお、同じコラーゲンドリンク、サプリメントでも、製品によって摂取目安量は異なりますので、用法・用量をよく確認してから摂取しましょう。
2. コラーゲンの合成を促す成分を同時摂取する
コラーゲンは単体で摂取するよりも、その合成を促す成分と同時に摂取するのが理想です。
たとえば、ビタミンCは、コラーゲンを生成するために必要不可欠な栄養素です。いくら食品やドリンク、サプリメントからコラーゲンを摂取しても、体内に十分なビタミンCがないとコラーゲンがうまく合成されません。
そのため、コラーゲンを摂取するときは、あわせてビタミンCも摂取する習慣をつけましょう。
ビタミンCは果実類やイモ類などに多く含まれているほか、赤ピーマンやブロッコリー、かぶ、キャベツなどの野菜類にも含まれています。これらの野菜類を、コラーゲンを多く含む鶏腿肉や豚レバーなどと一緒に摂取すれば、効率よくコラーゲンとビタミンCを補えるでしょう。
ただ、ビタミンCは茹でると茹で水に成分が溶け出してしまいますので、焼く、炒めるなどの調理を行うか、あるいは茹で水も一緒に摂取するスープ料理などを作るのがおすすめです。
ビタミンC以外には、ビタミンB群や鉄分もコラーゲンの生成に欠かせません。
ビタミンB群は脂質の代謝にも関わる成分ですので、意識的に摂取していれば、コラーゲンの過剰摂取による肥満の予防にも繋がります。ビタミンB群は豚肉やレバー、ウナギ、マグロ、サバ、卵などに含まれています。
一方の鉄分はミネラルの一種ですが、とくに女性は月経で慢性的に鉄分が不足しがちです。鉄分はレバーやまぐろ、ほうれん草、プルーンなどに多く含まれています。
3. コラーゲン入りのドリンクやサプリメントを上手に活用する
コラーゲンは食品からも摂取できますが、1日の摂取目安量である5~10gを毎日摂取するには、特定の食品を大量に食べなければなりません。
たとえば、1日で10g摂取するためには、コラーゲンが多く含まれるフカヒレや牛すじを食べる必要があります。しかし、これらの食材を料理するには手間がかかる上に脂質過・カロリー過多になるリスクがあります。
コラーゲンをすべて食品から補うよりも、コラーゲン入りのドリンクやサプリメントを上手に活用したほうが、体に負担をかけずにコラーゲンを摂取できるでしょう。
コラーゲンドリンク、サプリメントにはいろいろな種類がありますが、中にはコラーゲンと相性の良いビタミン類や鉄分などが配合されているものもあり、より効率的にコラーゲンを補えます。
ドリンクとサプリメントのどちらを選ぶかは、ニーズや好みによって異なりますが、錠剤を飲むのが苦手な方はドリンクを。逆にドリンクの風味が苦手な方はサプリメントを選ぶのがおすすめです。
4. なるべく毎日摂取する
コラーゲンは医薬品ではありませんので、摂取するタイミングに決まりはありません。ただ、コラーゲンは体内に摂取してから24時間でなくなってしまうと言われています。
コラーゲンによる美容効果を維持したいのなら、なるべく毎日コラーゲンを摂取する習慣をつけましょう。コラーゲンドリンクやサプリメントを利用する場合は、入浴後や就寝前など、摂取するタイミングをあらかじめ決めておくと飲み忘れを予防できます。
美容効果が期待できるコラーゲン注射
コラーゲンをより手っ取り早く摂取したい場合は、美容外科でコラーゲン注射を受ける方法もあります。コラーゲン注射とは、医療用の極細の注射針を使用して、必要な箇所に直接コラーゲンを注入する施術のことです。
たとえば、目元に注射してちりめんジワを改善したり、ほうれい線が目立つ口元にコラーゲンを注入したりすることが可能です。食事やドリンク、サプリメントなどによるコラーゲン摂取と比べると、コラーゲン注射には以下のようなメリットがあります。
即効性を期待できる
コラーゲンは体内の至るところに存在するため、食事やドリンク、サプリメントでコラーゲンを摂取した場合、気になる部分だけでなく、その他の器官にコラーゲンが回ってしまう可能性があります。
コラーゲン注射の場合、気になる部分にピンポイントでコラーゲンを注入できるため、施術を受けてすぐ効果を実感しやすいところが特徴です。
チンダル現象やダウンタイムが起こりにくい
チンダル現象とは、皮膚の浅い部分にヒアルロン酸製剤などを注入した後に、施術箇所が青っぽくなる現象のことです。
また、ヒアルロン酸を注入すると、赤みや腫れが数日続くダウンタイムが発生する場合があります。ヒト由来のコラーゲン製剤を使った注射の場合、チンダル現象やダウンタイムが起こりにくいため、施術直後から自然な見た目を維持できます。
以上のようなメリットがある一方で、動物由来のコラーゲンを使用した場合はアレルギー反応を起こすリスクが高くなるなどのデメリットもあります。コラーゲン注射は半永久的に効果が続くものではありませんので、美容効果をキープしたい場合は定期的に施術を受ける必要があります。
まとめ
コラーゲンはシワやハリ不足、乾燥といった肌の悩みを改善する効果が期待できる成分です。
コラーゲンは食事やドリンク、サプリメントなどから摂取できますが、1日の摂取目安量を大幅に超えて摂取すると、肥満や肌荒れといった副作用を起こすリスクが高くなります。コラーゲンは過剰摂取しても美容効果や即効性が高まるわけではありませんので、1日の摂取目安量を大幅に超えないよう、正しい方法で接種することが大切です。
日常生活でコラーゲンを摂取してもなかなか改善されない、効果が現れないといった悩みを抱えているのなら、美容のプロである美容外科に相談してみましょう。
専門家ならではの知識と経験に基づいた的確なアドバイスをもらえますし、コラーゲン注射など即効性の高い施術を受けることも可能です。コラーゲン注射の実績や使用している製剤は美容外科によって異なりますので、まずはカウンセリングを受けて詳しい話を聞いてみることをおすすめします。
このコラムを監修したドクター
経歴
-
- 2011年
- 琉球大学 卒業
-
- 2012年
- 昭和大学藤が丘病院 初期臨床研修
-
- 2014年
- 昭和大学形成外科教室 入局
-
- 2015年
- 昭和大学病院形成外科 助教
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