糸リフトのひきつれによる痛みはいつまで？原因や注意点を紹介

皮膚のしわやたるみの改善を目的とした、糸リフトによるフェイスリフトでは、術後に顔の皮膚のひきつれや痛みを感じることが少なくありません。

今回は、糸リフト治療による皮膚のひきつれによる痛みについて、その原因を紹介します。
また、糸リフト治療後のダウンタイムを短縮するための注意点やその後ひきつれが出た際の対処方法についても解説していきます。

糸リフトのひきつれとは？痛みや違和感はいつ治る？

糸を使ったフェイスリフト治療を糸リフト治療といいますが、その後にはひきつれが起きやすいとされています。また、痛みや違和感を覚える際もあります。
では、なぜ糸リフト治療によってひきつれや痛み、違和感が生じるのでしょうか。ここでは、その理由を紹介します。

糸リフト治療とは

糸リフト治療とは、たるみの解消を目的とした、糸を使ったフェイスリフトです。医療用の糸を使用して、皮膚の内側から肌のたるみの引き上げを行います。
糸を挿入する際には、注射針を使用し、皮膚の内側に糸を挿入していきます。腫れや内出血が生じる期間も短く、手術後の傷跡もほぼ残りません。
糸リフト治療で使用される糸にはさまざまなタイプの糸があり、使用する糸の種類は美容外科によって異なります。

痛みや違和感はいつ治る？

治療の後には個人差があるものの、ひきつれのほか、痛みや違和感を覚える次のような症状が見られます。

皮膚の凸凹感
口が開かない、こめかみが痛い
赤みや腫れ、むくみ
内出血

このうち、赤みや腫れ、むくみ、内出血については、治療から約1～2週間程度で症状がおさまります。
糸のつっぱりの影響で口が開かないと感じたり、こめかみが痛いと感じたりするのは、大体2週間程度です。この期間は、なるべく口を大きく開けないようにするなど、日常的に注意しなければなりません。
一般的にこれらの痛みや違和感は、通常2～3週間程度でおさまります。どんなに長くても、1カ月程度で落ち着くケースが多いでしょう。
それでも痛みや違和感が落ち着かないのであれば、一度手術を担当した医師に相談してみるとよいでしょう。

その後にひきつれが発生する原因

では、治療の後にひきつれが発生するのはなぜなのでしょうか。
ここでは、その後にひきつれが発生する原因について3つ取り上げ、紹介していきます。

神経に近い部分に糸を通すため

糸リフトでは、神経に近い部分に糸を通す手術を行います。
そのため、どうしても敏感に感じやすく、なんとなくひきつれているような違和感を覚えるようになってしまいます。

皮膚が薄いとひきつれを感じやすい

皮膚が薄い人が糸リフト治療を受けると、ひきつれを感じやすくなる傾向があります。もともと皮膚が薄い人は、糸の干渉を受けやすいため、糸リフト治療でひきつった感覚になる可能性も高いです。
自分の肌が糸リフト治療に向いているかどうかについては、手術を受ける前にあらかじめ担当の医師に確認をしておくのがおすすめです。

糸の挿入が不適切なケース

過去に糸リフト治療の実績が少ない美容外科で手術すると、糸を挿入する位置が不適切で、ひきつれを感じやすくなることもあるようです。
また、使用する糸や、引き上げる際の強度ミスによりひきつれが発生することもあります。

その後のダウンタイムを短縮するための注意点

糸リフト治療後のダウンタイムを短縮するには、次の5点に注意するとよいでしょう。

1. 激しい運動は避ける

激しい運動は血行をよくする働きがあるため、治療の後の腫れや痛みがあるうちにはあまりおすすめできません。
激しい（息が切れるような）運動をしたいのであれば、腫れや痛みが落ち着いてから実施しましょう。
軽いウォーキングぐらいであれば翌日から可能です。程よい運動は、むくみを取りやすくするとも言われています。

2. 口を大きく開けるのは避ける

口を大きく開けるとひきつれや痛み、違和感を覚えやすくなるため、糸リフトで使用した糸が馴染むまではなるべく避けましょう。大きく口を開けて食事をしたり、笑ったりすることだけでなく、歯科治療についてもなるべく控えることをおすすめします。
どうしても歯科治療を受けなければならないのであれば、糸リフトによる治療を行ってから2週間はあけるとよいでしょう。

3. 過度な飲酒はしない

飲酒も体の血のめぐりを良くする傾向があります。
そのため、糸リフト治療の腫れや痛みがあるうちは飲酒は控えましょう。少なくとも、術後３日程度は飲酒を避けたほうが無難です。

4. 熱い風呂や長風呂は避ける

運動や飲酒と同様、熱い風呂や長風呂は、血流を良くし、かえって腫れや痛みなどの症状を悪化させてしまうこともあります。熱い風呂につかったり長い時間お風呂に浸かるのは、治療後の腫れや内出血が落ち着いてからにしましょう。

5. マッサージは避ける

糸リフト治療では、皮膚に糸を埋め込んでいるため、マッサージはしないようにしましょう。マッサージをすることで、埋め込んだ糸の位置がずれたり、切れたりする可能性があります。
また、痛みや違和感が強くなるケースもありますので、術後1カ月程度はマッサージを控えるようにしてください。

ひきつれが出た際の対処

糸リフト治療後にひきつれが出たのであれば、次の対処をとるとよいでしょう。

術後数日間は様子を見る

糸リフト治療を行ってから数日間は皮膚の状態が落ち着いておらず、手術が問題なく終わったとしても、ひきつれや痛みを感じるケースが多いです。
しかし、術後1カ月程度でこれらの違和感を覚えることは少なくなってきます。
そのため、ひきつれを感じたとしても、術後数日間は様子を見ることが重要です。

症状がなくならないのであれば手術が必要なケースもある

手術から一定期間経過しても、皮膚にひきつれを感じたり違和感を覚えたりするのであれば、手術を検討しなければならないケースもあります。
糸リフト実施後1カ月経ってもひきつれが治らないのであれば、手術を担当した医師に相談するとよいでしょう。
手術を実施する際には、糸を取り除いたり、入れ直したりといった手術が必要になることもあります。糸を取り除く手術を行う際には、手術の際に使用した糸によって取り除くのが難しいケースもあるため、事前に確認しておくのがおすすめです。

再手術は半年から１年後から可能

稀に、糸リフト治療を受けた後に効果が薄れ、皮膚がたるんでしまうことで、ひきつれが起きるケースもあります。
このような時は、再手術を受けるとひきつれの解消が可能となります。再手術は糸リフト治療を受けてから半年から１年後以降実施することができます。
特に、長期的な糸リフト治療の効果を期待するのであれば、1～2年以内に再手術を行うのがおすすめです。

糸リフトによるひきつれが治らないのであれば美容外科で相談しよう！

糸リフトによるひきつれは、一般的に1カ月程度でおさまるとされています。もしそれ以上続くのであれば、美容外科などの専門家に相談するのがおすすめです。
糸リフト治療では、糸が皮膚を引っ張ることによってひきつれが発生していますので、ケースによっては糸を取り除いたり、入れ直したりといった再手術が必要になることもあります。

まとめ

糸リフト治療後に皮膚のひきつれが発生する原因には、神経に近い部分に糸を通すことや皮膚が薄い場所に糸リフト治療を行っていること、また、糸の挿入が不適切なことなどが挙げられます。
なお、糸リフト治療後のダウンタイムを短くしたいのであれば、激しい運動や口を大きく開けたり、過度な飲酒や長風呂をしたりするのを避けることも大切です。

通常、糸リフト治療のひきつれによる痛みは、治療後1～2週間程度で落ち着きますが、1カ月程度を要するケースもあります。もし1カ月を過ぎても痛みが落ち着かないのであれば、一度手術を受けた美容外科へ相談してみるとよいでしょう。
なお、少しでも不安の少ない糸リフト治療には、術前の段階で信頼できる美容外科を選ぶことも重要です。担当医師の技術力のほか、カウンセリングの内容、手術の実績などを参考に、それぞれの美容外科をしっかりリサーチして比較検討することをおすすめします。

このコラムを監修したドクター

銀座マイアミ美容外科 院長

丸山 直樹 Naoki Maruyama

日本専門医機構 形成外科領域専門医 / 医学博士 /
昭和大学藤が丘病院 形成外科兼任講師

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経歴

• 1978年

  愛知県豊橋市生まれ

• 2004年

  昭和大学医学部卒業

• 2004年

  聖隷浜松病院 勤務

• 2007年

  昭和大学形成外科学教室 入局

• 2013年

  昭和大学藤が丘病院形成外科 講師

• 2014年

  他院 大手美容外科 入職

• 2015年

  同院 統括院長就任

• 2017年

  銀座マイアミ美容外科 開院

• 2018年

  医療法人社団形星会 理事長就任

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メッセージ

糸リフトによるフェイスリフトは手軽でダウンタイムが少ないという印象がありますが、糸の入れる位置が悪いと引きつれが生じてしまうこともあります。施術にあたっては、どのリフトアップ方法が適切なのかという適応を正しくするということが大切です。銀座マイアミ美容外科では、糸リフトまたその修正を始め各種リフトアップの処置を行なっています。メリットデメリットをしっかりとお伝えしたうえでおすすめの方法をお伝えします。