鼻中隔延長をしない方がいいと言われる理由|リスクや施術を受けるポイントを解説
- 沖野先生監修
鼻中隔延長は鼻の高さの悩みを抱えている方にとって解決策になる施術の一つです。ただ、鼻中隔延長はしない方がいいという意見もあります。鼻中隔延長はやめた方がいいという口コミを見てためらっている方もいるでしょう。
鼻中隔延長をしない方がいいと言われるのは、いくつかリスクがあるためです。
鼻中隔延長の施術の特徴とリスクを理解したうえで、リスクを回避できるのかを詳しく見ていきましょう。
目次
鼻中隔延長とは?
鼻中隔延長とは、鼻中隔の先端に軟骨を移植して補うことにより、鼻筋が低い悩みを改善する美容施術です。鞍鼻(あんび)と呼ばれる鼻筋が低い状態や、短鼻やブタ鼻と呼ばれる鼻が短い状態を改善するのに役に立ちます。
鼻中隔とは、鼻腔を左右に仕切っている部分です。鼻中隔の顔に近い部分は硬骨ですが、鼻の先端に近い部分は硝子軟骨と呼ばれる軟骨でできています。鼻中隔がしっかりしていないと鞍鼻や短鼻になりやすいのが悩みになる可能性があります。
鼻中隔延長は、鼻中隔の先端部分に軟骨を足して補強することにより、希望する鼻の高さや形状にする施術です。一般的には自分の耳や肋骨などの軟骨を取って鼻中隔に移植します。
鼻中隔延長をしない方がいいと言われる理由
鼻中隔延長は鼻が低い悩みがある方にはメリットのある施術です。ただ、鼻中隔延長をしない方がいいと言われるのは以下のリスクがあるからです。
- 軟骨が浮き出るリスク
- 鼻先が硬くなるリスク
- 長期経過で鼻が曲がるリスク
- 鼻先の皮膚が薄くなるリスク
- 移植軟骨の感染のリスク
それぞれのリスクについて詳しく見ていきましょう。
軟骨が浮き出るリスク
鼻中隔延長をすると軟骨が浮き出るリスクがあります。軟骨を鼻中隔の先端に移植すると鼻を長くすることが可能です。しかし、軟骨が追加されたことによって皮膚が引き延ばされることになり、薄く広がってしまいます。
移植した軟骨が皮膚から突き出る形になり、軟骨が浮き出て目立つリスクがあるのが鼻中隔延長の注意点です。
イメージしていた姿とは異なる鼻の形になってしまう場合もあります。
鼻先が硬くなるリスク
鼻中隔延長をすると、柔らかかった鼻先が硬くなるリスクがあります。鼻中隔は軟骨でできています。軟骨は硬骨とは違って柔軟性があって上下左右に動きやすいので、鼻中隔は触って動かせるのが普通の状態です。しかし、鼻中隔延長では鼻の皮膚をしっかりと支えられるように強固な土台を作るため、鼻先が硬くなるのが一般的です。
鼻先の硬化は見た目ではわかりにくいので、鼻先に触れないようにすれば気にならなくなる可能性があります。ただ、他人に触られたときに違和感があって、鼻整形をしたのではないかと思われるリスクがあります。
長期経過で鼻が曲がるリスク
鼻中隔延長の施術をして美しい鼻先にできたとしても、長期的にはトラブルが起こるリスクがあります。鼻中隔延長で鼻中隔に軟骨を移植した後に、しばらくして鼻が曲がることがあるので、注意が必要です。
また、鼻中隔延長の施術は鼻中隔に負担がかかります。手術を通して新しい状態になると環境が変わるので、鼻中隔が動いて新しい環境に適応しようとします。無理な延長をした手術後に5~10年くらい経過して鼻中隔が傾いてしまい、鼻が曲がるのが典型的なリスクです。
鼻先の皮膚が薄くなるリスク
鼻中隔延長の手術では軟骨を鼻中隔に移植して鼻を高くしますが、鼻を覆っている皮膚を移植して増やすわけではありません。手術前と比較して皮膚が相対的に足りなくなるため、鼻先の皮膚は無理な鼻中隔延長をすると薄くなります。
鼻先の皮膚が薄くなると軟骨が浮き出る原因や、皮膚による圧迫を受けて鼻中隔が曲がる原因になるので注意が必要です。
鼻先の形状が不自然になり、「鼻は高くなったけれど形が気に入らない」という状況になるリスクがあります。
移植軟骨の感染のリスク
鼻中隔延長では移植軟骨から感染が起こるリスクが全くないわけではありません。鼻中隔延長は軟骨を自家移植する方法が一般的に用いられていますが、手術後の創感染で移植軟骨にも感染が波及するというリスクもあります。
なお、耳介軟骨や肋軟骨の自家移植をする以外に、保存軟骨を使用する方法があります。保存軟骨とは他の人から摘出して保存した肋軟骨です。自家軟骨を耳や肋骨から摘出する必要がないメリットがありますが、保存状態や提供者の状況によっては感染のリスクがあります。また吸収がおこって後戻りするケースもありますので、保存軟骨(寄贈軟骨)の使用はおすすめできません。
納得できる鼻中隔延長の施術を受けるポイント
鼻中隔延長にはリスクがあるのは確かです。ただ、鼻中隔延長は変化を出しやすい美容施術として選ばれている施術でもあります。
重要なのは、鼻中隔延長のリスクをなるべく回避するために以下のポイントを押さえておくことです。
- 経年変化に耐えうるデザインを行う
- 鼻中隔延長が向いているか確認する
- 知識や施術スキルが豊富な医師に依頼する
ここでは、鼻中隔延長のリスクを回避する大切なポイントを詳しく説明します。
経年変化に耐えうるデザインを行う
鼻中隔延長は施術を受けた直後から鼻の高さに大きな変化が生まれることが特徴です。しかし、無理な延長は術後の経変変化で変形するので、無理のないデザインすることが重要です。
医師とどのような鼻にしたいのかを詳しく相談しましょう。イメージだけでは伝わらない部分もあるので、理想の写真やイラストを用意してわかりやすく伝えることが大切です。
軟骨が浮き出たり、鼻中隔が歪んだりするリスクを抑えるには、移植する軟骨量の調整が必要です。医師に経年変化についての負担を相談し、無理のない延長をこころがけることが肝心です。
鼻中隔延長が向いているか確認する
鼻の形の悩みを解決する方法として、鼻中隔延長が適しているのかどうかを確認しましょう。鼻中隔延長に向いていないのに施術を受けてしまうと、期待している効果が得られず、将来的なリスクも生じる可能性があります。
鼻中隔延長は鼻中隔に軟骨を移植して鼻を希望のところまで高くしたり、向きを直したりするのに向いています。鼻中隔の状態の良し悪しによっても適応が異なるので、医師による診察を受けて鼻中隔延長が良いかどうかを判断することが大切です。
もし鼻中隔延長が向いていなかったとしても、他の施術で悩みを解決できる可能性もあります。医師に悩みを伝えて、代替案を提案してもらいましょう。なんでもかんでも鼻中隔延長をすればよいということはありません。正しい適応を判断するということが大切です。
知識や施術スキルが豊富な医師に依頼する
鼻中隔延長は高度な知識や技術を求められる施術です。鼻中隔延長のリスクの大きさは医師の持っている経験によって左右されます。
鼻中隔の性質や手術によって起こるトラブルと対処法を理解していて、症例経験が豊富な医師に依頼すると、リスクの軽減が期待できます。
医師の知識はカウンセリングで説明を受けて確認しましょう。鼻中隔延長のリスクと対策について、わかりやすい説明を受けられるのが理想的です。他の施術の可能性についても比較して提案してくれる医師なら、鼻の悩みを解消できるでしょう。
鼻中隔延長を受ける院の選び方
鼻中隔延長の施術を受けるときには、どこの院に相談するかを検討しましょう。鼻中隔延長を受けるうえで重要なのは、以下のポイントをチェックすることです。
- クリニックや医師の施術実績を確認する
- SNSや掲示板で口コミをチェックする
- 症例写真も目を通しておく
- 複数のカウンセリングを受ける
ここでは、鼻中隔延長の施術を受ける院を選び出すためのポイントを解説します。
クリニックや医師の施術実績を確認する
まずは鼻中隔延長の施術実績を確認しましょう。クリニックでは自院で診療してきた事例をホームページで公開していることがあります。クリニックの公式ブログや公式SNSでも施術実績を紹介している場合があります。気になったクリニックのホームページやSNSを確認して、鼻中隔延長の施術実績が豊富な院を選びましょう。
担当医師が鼻中隔延長の経験が豊富で、的確な診察と施術ができることも重要です。医師のプロフィールや実績もホームページやブログなどで紹介されている場合が多いので、詳しく確認しましょう。
SNSや掲示板で口コミをチェックする
クリニックや医師の評判について口コミ調査をすると、より良いクリニックを選び出せます。
InstagramやXなどのSNSでは、クリニックで施術を受けた人からの投稿が見つかります。写真付きでビフォーアフターがわかるようにしていたり、医師の提案内容を詳しく書いていたりする投稿は参考になるでしょう。
ネット掲示板でも鼻中隔延長の施術を受けたユーザーからの口コミが見つかる場合があります。SNSや掲示板は本音を投稿するユーザーが多いので、クリニックや医師の実力がよくわかることが特徴です。
鼻中隔延長の施術の相談をした人や、施術を受けた人の口コミを見てより良いクリニックでカウンセリングを受けましょう。
症例写真も目を通しておく
鼻中隔延長の施術を受けるクリニックを選ぶときには、公式ホームページや公式ブログなどで症例写真を見ておきましょう。実例の写真を見ると、そのクリニックの医師を選ぶべきかどうかを判断しやすくなるからです。
鼻中隔延長の施術では、移植する軟骨の量や技術によって鼻の形が変わります。症例写真を見て自分がイメージしている鼻の形に仕上げている例が多ければ、期待に応えてくれる可能性が高いでしょう。
クリニックの実績を調査するうえでも、症例写真の確認は重要です。鼻中隔延長をメニューに入れているクリニックでも、実際には施術の経験が少ない場合もあります。
カウンセリングを受けるときにも症例写真を見せてもらうことは可能です。カウンセリングのときに症例を確認して、希望の形に鼻を整えてもらえる可能性が高いクリニックに施術を依頼しましょう。
複数のカウンセリングを受ける
複数のクリニックでカウンセリングを受けると、鼻中隔延長を納得して依頼できるクリニックを選び出せます。美容クリニックでは初回のカウンセリングを受けた後、施術を申し込まずに断ることができます。
鼻中隔延長の施術を受けたいと伝えて説明を受けて、実績がない、症例写真を見ても魅力がないと気づいたときには断って帰っても問題ありません。
複数のクリニックでカウンセリングを受けて比較すると、実績のある医師を選び出せるメリットもあります。鼻中隔延長の知識があるだけでなく、悩みを真摯に聞いてくれて施術内容やリスクの説明がわかりやすい医師も見つかるでしょう。施術後のケアが必要になる場合もあるので、実績が豊富な医師を選んで施術を依頼しましょう。
鼻中隔延長に関するQ&A
鼻中隔延長の施術を受けるときには不安があるでしょう。当院でもよくある患者様からの質問は以下の4つです。
- 鼻中隔延長はやり直しできる?
- 鼻中隔延長を受けるとキスができなくなる?
- 鼻中隔延長のダウンタイムや傷跡の経過は?
- 鼻中隔延長の施術後の通院回数はどのくらい?
ここでは鼻中隔延長にかかわる不安について、解説していきます。
鼻中隔延長はやり直しできる?
鼻中隔延長の施術をして理想的な鼻にならなかったときには再手術ができます。ただし、術後にすぐに鼻中隔延長のやり直しをすることはできません。手術によるダウンタイムが終わり、まずは今回の手術による軟骨の定着を待つことが必要になります。
鼻中隔の状態が整って手術のやり直しができるようになるまでには、一般的には6ヶ月くらいかかります。ただ、術後に不満があったときや、違和感があったときには早めに医師に相談することが大切です。不具合の原因によっては、ダウンタイムが過ぎてから治療をする場合もあるからです。
鼻中隔延長をやり直したいと思ったときには、気兼ねなく医師に相談して理由を伝えましょう。
鼻中隔延長を受けるとキスができなくなる?
そのようなことはありません。キスして大丈夫です。しかし、鼻さきを強く抑えないようにしましょう。
鼻中隔延長の手術をして鼻中隔が安定するまでには3ヶ月くらいかかります。鼻中隔が安定していないうちにキスで鼻を刺激しすぎると、歪みが生じるリスクがあります。
パートナーから理解を得て、施術を受けてからしばらくは激しいキスをしない方が良いです。
鼻中隔延長のダウンタイムや傷跡の経過は?
鼻中隔延長のダウンタイムには個人差がありますが、一般的には1週間~2週間程度です。ダウンタイムの間は鼻にギブスを貼り付けて形を整えます。
自家軟骨を採取したときには患部の痛みなどのリスクがあるのは1週間くらいです。痛みを抑えるために痛み止めを服用して対処します。
鼻中隔延長の施術後の通院回数はどのくらい?
鼻中隔延長の施術後には最低1回~2回の通院が必要です。当院では、まず鼻中隔延長の手術をした翌日に術後の状態を確認することを原則にしています。診察をして問題がなければ、1週間~2週間後の来院で抜糸をして治療完了です。
当院では、遠方の方のために抜糸をする必要がない施術もしています。抜糸不要の鼻中隔延長の施術では、1回のみの通院でも施術が可能です。ただ、経過観察のために1ヶ月、3ヶ月の時点で来院またはオンライン検診を推奨しています。
【まとめ】鼻中隔延長をしない方がいいと言われる理由
鼻中隔延長をしない方がいいと言われているのは、長期的に鼻が曲がったり、軟骨が出てきたりするトラブルが起こる可能性があるからです。しかし、そのようなケースは、無理な延長をしたときに起こりがちであって、無理のない範囲で延長をしているぶんには問題となることは少ないようです。
さらに、実績があって経験が豊富なクリニックで施術を受ければ、鼻中隔延長によるトラブルに対策できます。トラブルが起こらないわけではありませんが、もし理想の形にならなかったとしても修正してもらえるでしょう。
当院では鼻中隔延長の施術を実施してきた実績があります。鼻中隔延長をご検討の際には当院にご相談ください。
このコラムを監修したドクター
経歴
-
- 2014年
- 昭和大学卒業
-
- 2016年
- 田附興風会北野病院後期レジデント
-
- 2018年
- 昭和大学形成外科入局
-
- 2022年
- 昭和大学藤が丘病院 副医局長、ブレストセンター所属
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